メリットだらけのICLと手術のリスク
眼球内の虹彩と水晶体の間にレンズを移植し、近視や乱視などの視力矯正を行うICL手術。
眼内移植型コンタクトレンズとも呼ばれるICLは、近年レーシックに変わって注目を集めつつある手術方法です。
レーシックでは矯正できない強度近視でも視力矯正をすることができたり、術後の戻りがほとんどなく視力経過が安定すること、レンズを取り出して元の状態に戻すことができるなど、多くのメリットがあります。
手術も15分〜20分程度の短時間で行うことができ、日帰りで施術可能、しかも術後すぐに視力改善効果を感じることができる…などなど、患者にとっては嬉しいことばかりといえます。
しかし、どんな手術でもリスクはつきもの。ICLも例外ではありません。
術後の症状・合併症
たとえば、ICL手術後によく見られる症状として、手術直後の眼のかすみやぼやけなどがあげられます。
眼の中にこれまでなかったレンズが入るのですから、当然と言えば当然と言えるかもしれません。人によっては異物感やまぶしさ、しみる感じや充血などがみられることもあります。
しかし、こうした症状は術後1週間くらいで落ち着いてきますからあまり心配する必要はありません。充血の中には結膜下出血といって創口や白目の血管からの出血で目が赤くなることもありますが、こちらも手術後1〜2週間で自然消滅し、視力などへの影響もありません。
そのほかには、術後に角膜内細胞がわずかに減少したり、暗いところで光が滲んで見えるハロ・グレアが出てしまうことがあります。
こちらは、術後しばらくしても症状が残ってしまうことがありますが、日常生活に支障をきたすほどのものではない場合がほとんどです。
これら術後の症状の他に、ごくまれに起こる合併症として、眼圧上昇や術後眼内炎、白内障などが挙げられます。眼圧上昇や術後眼内炎は症状に応じた点眼や内服などの治療が必要です。
白内障はICL手術とは関係なく発症する可能性もありますが、もし術後に症状が発生した場合は経過観察したりICLを摘出して白内障手術を行う場合があります。